日本の映画・テレビ映画・テレビドラマ等において、衣裳部のスタッフは「衣裳」として、衣裳部を請け負う企業は「衣裳協力」、ないしは小道具等の他の職能とまとめて「協力」タイトルにクレジットされる。かつて日本においては、各撮影所の社員およびそれに準じた契約スタッフで構成される一部署であった[6]。このことから、装飾(小道具)、美粧・結髪(ヘアメイク)とならび早くから部門分社化、アウトソーシングが進んだ現在も「衣裳部」と呼ばれる。
衣裳部は撮影所においては、美粧・結髪とともに俳優課に属した。俳優部との密接な関わりがあるからで、現在も現場のプロデューサーや製作部と俳優部をつなぐ役割をもつ演技事務、監督とつなぐ役割のセカンド助監督との密接な連携で仕事を進める。
衣裳部は衣裳倉庫に衣裳を保管し、日々の使用に耐えうるようにクリーニング・修復等のメンテナンスを行う。アパレルのメーカーとのタイアップも業務の一環として日常的に行い、メーカーから貸し出された撮影用の衣裳についても同様に管理する。現場のシーンに応じては、泥や血痕等の汚れ、生地の破き等の「汚し」を行うが、これも衣裳部の仕事である。
「衣裳」のテリトリーはあくまで文字通りの衣裳(#概要冒頭の定義を参照)までであり、帽子、眼鏡、ハンドバッグ、腕時計、靴等は「持ち道具」と呼ばれ、「小道具」のテリトリーに属する。